結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
「だからジョシュアは候補を選んでいないのね……。いくら担当がセアラになったからといって、それだけで選ばないのはおかしいと思ってたのよ……」
「マーガレット殿下?」
「こうなったら2人に任せるしかないってお父様は言ってたけど、本当にこのまま何もしなくて大丈夫なの……?」
「あのーー?」
声をかけてみるけれど、今の王女には届いていないらしい。
壁にピタリとくっつきながらブツブツと独り言を呟いている。
どうしましょう……。
仕事も残っているし、もう戻ってもいいかしら?
黙って王女を置き去りにしていいものかと迷っていると、ハッと我に返った王女が壁から離れてまた私の目の前に立った。