結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
「なんで逃げるの?」
「に……逃げてなど」
「そうか」
ドンッ
ゴツッ
痛っ!
会議室の壁に背中と頭をぶつけてしまい、後頭部にズキズキとした痛みが走る。
部屋の真ん中にいたはずなのに、いつの間にかこんなに移動していたらしい。
笑顔の悪魔から逃げる恐怖で、自分のいる場所に気づいていなかった。