結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
今日の殿下は本当にどうしちゃったのかしら?
いくらなんでもしつこすぎるわ。
……でも、そっちがその気なら、私だって反撃してやる!
「わかりました。では、私に似た女性を何人か候補に入れておきますね!」
あとで後悔したって知らないんだから!
殿下の悪ふざけに合わせてそう言えば、慌てて「さっきのは冗談だ」と言ってくると予想していた。
──それなのに。
「セアラに似た女が好きなんじゃなくて、セアラが好きなんだよ」
「!?」
ジョシュア殿下は、慌てるどころか眉根を寄せてぶっきらぼうにそう言った。