結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
完全寮生活だった女学園時代にも参加はできず、18歳で卒業したあとはずっとここで秘書官として住み込みで働いている。
ジョシュア殿下は何度か夜会に参加しているけれど、なぜか私を一緒に連れて行ってはくれなかった。
きっと私に対する嫌がらせだ。
私が夜会に行ってみたいと思っていることをわかっていて、邪魔しているんだわ。
「でもそろそろ夜会にも参加しないと、それこそ出会いなんてないわよね。候補のご令嬢たちとも実際にお話ししてみたいし、今度の夜会に参加してみようかしら?」
「夜会がなんだって?」
「っ!?」
誰もいないと思っていた夜の執務室。
突然背後から聞こえた声に、私は驚きすぎて声すら出すことができなかった。
振り向くと、そこには普段より軽装のジョシュア殿下が立っている。