結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
22 いざ、仮面舞踏会へ
「あら。セアラ、どうしたの?」
突然帰ってきた娘を見て、母が驚きながらもどこか嬉しそうに迎え入れてくれる。
「ただいま、お母様。急なのだけど、今夜の夜会に参加したいの。準備を手伝ってもらえるかしら?」
「それはもちろんいいけど……本当に急ね。もっと早く言ってくれたら、新作のドレスを用意しておいたのに」
「そんな派手なドレスはいらないわ。あまり目立ちたくはないし」
「でもせっかくの夜会なのに。……まぁいいわ。先に侍女たちに伝えておくわね」
「ありがとう」
それにしても、まさかあの3日後に仮面舞踏会が予定されていたなんて……。
殿下に夜会への参加を却下されたあと、夜会の日程を調べて驚いた。