結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
自分で身支度ができるようになったとはいえ、さすがに1人でドレスを着るのは無理だ。
私はこの3日間で鬼のように仕事を進め、今日は早めに切り上げて実家に戻ってきたのである。
王宮のメイドたちにお願いしたら、殿下の耳に入ってしまうかもしれないもの。
内緒で行くんだから、絶対に知られてはいけないわ!
運が良く、今夜の仮面舞踏会にジョシュア殿下は参加しないことになっている。
「セアラ。準備ができたわ」
「はい。今行きます」
殿下の生誕パーティーなどでドレスを着ることは何度かあったけれど、プライベートで着るのは本当に久しぶりだ。
少しワクワクする気持ちを押さえ、私は母のもとに向かった。