結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
「ところで、そのドレスは誰が選んだの?」
「これは母が選んでくれました」
「なるほどね。セアラはこのまま王宮に戻って、そのドレスをすぐに処分して」
「……はい?」
「代わりに新しいドレスを数着バークリー公爵家に送るから」
「え。あの、なぜ……」
「もう二度とセアラがそのドレスを着ることがないように……だよ」
「…………」
え。殿下ってば、そんなにもこのドレスがお気に召さなかったの?
ジャケットで隠そうとしたり、わざわざ処分させようとしたりするなんて……ここまで毛嫌いしているとは知らなかったわ。
覚えておかないと。
「わかった?」
「は、はい」
お母様には申し訳ないけど、ここは殿下の命令に従っておかなくちゃ。