結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
またそんな冗談を言って! とすぐに文句を言いたいのに、口が動かない。
心臓が驚くほど速く動いていて、手が震えないようにするので精一杯だ。
ドッドッドッ……
な、なんでこんなにドキドキしてるの!?
「あれ? 今日はいつもみたいに怒らないんだな。やっと本当だって信じてくれた?」
ジョシュア殿下が嬉しそうにニヤッと笑った。
その笑顔を見て心臓がさらに跳ねた気がするけど、気づかないフリをして言い返す。
「じょ……冗談はやめてください」
「だから冗談じゃないって言ってるのに。いつになったら信じるの?」
「いつになったらって……」