結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
4 殿下の前で目を閉じたら怒られました
「お。朝食は済んだのか?」
執務室に入ると、すでにジョシュア殿下が私を待っていた。
机の上には書類が散らばっていて、ずっとここで仕事をしていた様子が窺える。
「はい。殿下はまだ召し上がっていないのですか?」
「もう食べたよ。誰かと違って時間を無駄にしないだけさ」
あきらかな嫌味と共に、爽やかにニコッと微笑むジョシュア殿下。
顔と言葉が一致しないのは、いつものことだ。
……本当に意地悪なんだから。
ついため息をつきそうになったけれど、なんとか顔には出さないようにこらえた。