結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
「僕が担当していたら、殿下は嫌がらせをせずにすぐ候補者を選んでくれたということでしょうか……? ですが、僕だってセアラ秘書官と同じくらい嫌がらせをされているのに……」
「そうですよね……」
うーーん……と2人で考え込む。
そういえば、私の書類を抜いたことに関してもマーガレット殿下は怒っていたような……。
「あの、実は、妃候補の中に私の書類も入っていたんです」
「ああ。見ました。バークリー公爵家でしたら当然ですよね」
「その書類を事前に抜いてしまったんですけど、その件でもマーガレット殿下が少し怒っていたんですよね」
「セアラ秘書官の書類を抜いたことを?」
「はい」
トユン事務官は顎に手を当てて、ジッと私を見つめた。
頭の中でいろいろと考えているのか、足先をトントンと動かしている。