結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜

 でも、それを認めたら……本当に殿下が私のことを好きってことになってしまうんだけど……。



『本当に俺はセアラが好きなんだよ』
 

 ドキッ

 昨夜のジョシュア殿下の言葉が思い出される。
 嫌味な笑顔ではなく、真剣な顔で私を見つめていたジョシュア殿下。



 まさか……まさか!?



 信じられないという気持ちと、どこか納得してしまう気持ちがせめぎ合っている。
 もし本当にそうだとしたら、今までの不思議な殿下の行動が理解できてしまう。



 私に男性が近寄らないように邪魔していたというのも、私が夜会に行くのを邪魔していたのも、夜会で私を見張っていたのも、私が好きだから……?

 昨日の言動も、まさか本当に全部本音なの……?


 

 いや。まさか、そんな。
 そう否定する気持ちと共に、どんどん今までの不可解だったことが繋がっていく。


< 195 / 318 >

この作品をシェア

pagetop