結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜

 マーガレット殿下が妃候補の中に私の書類を戻せって言ったのも、殿下に選ばせるため……?

 いえ! でもそれが事実なら、マーガレット殿下も陛下もジョシュア殿下が私のことを好きだって知っていたことになるわ。
 そんなバカなこと……。

 

 頭の中がグルグルしていて倒れてしまいそうだ。
 何も言えなくなった私を見て、トユン事務官がこっそりと尋ねてくる。


「もし本当にそうだとしたら、セアラ秘書官はどうされるのですか?」

「どう……というのは?」

「ジョシュア殿下と結婚されるのですか?」

「…………」



 結婚? 私と殿下が?
 殿下の妃候補に、私が……?



「セアラ秘書官。顔が白いですけど大丈夫ですか?」

「大丈夫……です」

「……それで、先ほどの質問の答えは……?」


 想像すらしていなかったことなので一瞬頭が真っ白になってしまったけれど、バークリー公爵家の娘として答えは1つだ。

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