結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
「あの、会えてよかったというのは?」
「あれ? 聞いていませんか? 数日前からずっと、フレッドがセアラ秘書官への面会要請を出していたんですよ」
「えっ?」
何それ? 知らないわ!
「でも、高熱が出ていてとても人に会える状態じゃないから……って何度も断られて」
「ええ!?」
高熱ってなんのこと!?
ルイア王国の王子様からの面会要請を、ウソの理由で断るなんていったい誰が……。
ハッ!!
そこまで考えた瞬間、頭の中には笑顔の腹黒悪魔が浮かび上がった。
数日前に彼が言っていた言葉が思い出される。
『俺が邪魔してたし』
『セアラと他の男が出会わないように』
まさか、私が高熱だとウソをついたのはジョシュア殿下……!?