結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
「いったい誰がそんな誤情報を……」
「あのっ! たしかに昨日までは高熱が出ていました」
「え? でも、さっきはずっと元気だったと……」
「あ。えっと……ま、まだ頭が朦朧としているのかもしれないですね」
うふふ……と笑ってごまかすと、ディエゴ団長は心配そうな目を向けてきた。
まだ熱が下がっていないのではないか、と疑われている気がする。
他国の王子に対して、ジョシュア殿下がウソをついただなんて知られたら大変だわ!
フレッド王子をチラリと横目で見たけれど、こちらは無表情すぎて何も感情が読み取れなかった。
ただ、怒っているような感じはしない。
「それで、私に面会とは何かご用があったのでしょうか?」
話をすり替えようと、ディエゴ団長から視線を外しフレッド王子に尋ねる。
突然話を振られたというのに、王子は迷う素振りもなくキッパリと答えた。
「特に用件はない。セアラに会いたかっただけだ」
えっ!?