結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
ジョシュア殿下の早口の説明を聞いて、フレッド王子が私に視線を向けてきた。
無表情で黙っているけれど、『本当か?』と聞かれているような気がする。
「そ、そうなんです。申し訳ございません……」
「そうか。それなら仕方ないな。また改めて面会の要請を……いや」
フレッド王子はそこまで言いかけて、なぜかチラッとジョシュア殿下を横目で見た。
「またセアラの家にでも行かせてもらおう。……王宮では長く話もできないみたいだからな」
「?」
な、なんでジョシュア殿下を見ながら言ってるの?
ジョシュア殿下もいつも以上に作った笑顔だし、キラキラオーラがまったくなくて少し怖いわ。
他国の王子様の前で爽やか完璧王子を演じなくていいのかしら?