結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
「実は、今メイドたちの中で噂になってるんですよ〜! 昨日偶然セアラ秘書官たちを見たメイドが、すっごくいい雰囲気だったって。もしかして、婚約されてるんですかっ?」
むぐっ!!
ちょうど口に入れたばかりのパンを、噛まずに飲み込みそうになってしまった。
焦ったドロシーが水の入ったコップを差し出してくれる。
「ゴクッ……ゴクッ……はぁ」
「大丈夫ですか?」
「ええ。それよりも、私とフレッド殿下がなんですって?」
「婚約されてるのかなって噂になってます」
「えええっ!?」
婚約!? 私とフレッド殿下が!?