結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜

「噂、聞きました! ルイア王国の第3王子様と婚約されているって本当ですか?」

「……今ドロシーにも伝えたところなのだけど、完全に根も葉もない噂話です」

「えぇ……そうなのですか?」


 ドロシー同様、この3人もガックリと肩を落としている。


 
 自分に関係のないことなのに、みんな恋の話が好きなのね……。
 期待に応えられなくて、なんだか申し訳ない気持ちになっちゃうわ。



「セアラ秘書官とフレッド殿下なら、とってもお似合いだと思ったのに」
「昨日ディエゴ団長と一緒にいるところを見かけたけど、クールな表情が男らしくて本当に素敵だったわ」
「口数の少なそうなところも魅力的よね」


 昨日フレッド王子を見かけたメイドもいるらしく、頬を染めながら彼の話でキャッキャと盛り上がっている。



 まあ。この子たち、いつもはジョシュア殿下の笑顔が爽やかで素敵って言っているのに……。



 ジョシュア殿下と正反対な部分を褒めあっていて、なんだか複雑な気持ちになる。



 みんなの前では穏やかで優しい王子かもしれないけど、ジョシュア殿下だって本当は強引で男らしいところもあるのよ。


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