結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
「めずらしいですね。セアラ秘書官がそんなにジョシュア殿下のことを褒めるなんて。いつもは私がどんなに素敵だと話してても共感されないのに……」
「…………え?」
そこまで言われて初めて、さっきの自分の発言を振り返る。
あら? 私ったら、なんであんな腹黒王子のことをこんなにも……!
「あ。あの、私……朝の会議があるからもう行くわね」
「あっ、セアラ秘書官!?」
これ以上顔を見られるのが嫌で、思わずウソをついて席を立ってしまった。
朝食は半分くらいしか食べていないけれど、なんだかすでにお腹いっぱいだ。
ポカンとするメイドたちを振り返ることなく、私は食堂をあとにした。