結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
「まだです」
「もうすぐ最初に言われていた期日ですが、大丈夫ですか?」
「……なんとかします」
そういえば、夜会で候補を選んでくれるって約束をしたまま話を進めてなかったわ。
どうして頭からスッポリ抜けてしまっていたのか。
私は机の引き出しにしまった妃候補の書類を急いで取り出した。
期日までに決まらなかったときのためにと、私が選んだ3人の候補者だけが別にまとめられている。
この3人でいいのか、殿下に確認しなくちゃ。
今までは却下ばかりで一向に決めてくれなかった妃候補。
夜会で約束したのだから、今度こそはちゃんと選んでくれるはずだ。
これで妃候補が決定したら、陛下に提出をしてこの仕事は終わり……。
最終的に婚約者となる方が決まったら、私は秘書官を辞めて自分の婚約者を探すのよね。
「…………」