結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
そんな俺がその女の子──セアラと再び出会ったのは、それから6年後。
13歳の頃だ。
父に俺の秘書官となるアイリス・バークリーに挨拶しておけという命を受けて、俺はバークリー公爵家を訪れた。
なぜ王宮に呼ばずこちらが出向くのかは謎だったが、行けと言われたならそれに従うしかない。
たいして興味もない人物への挨拶は面倒だったが、俺はいつも通りの笑顔を作ってアイリス嬢とその両親に挨拶をした。
長居するつもりもなくすぐに帰ろうとしたとき、俺の視界に1人の少女が入ってきた。
「……!?」
少し離れた場所からこっそりこちらを見ている少女。
おそらくアイリス嬢の妹と思われるその少女が、6年前古い教会で会っていたあの女の子だったからだ。
なぜあの子がここに……!?
バークリー家の娘だったのか!?