結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
「それに、さっきの会議室でのことも。あの場にいたのが俺以外の男だったら、セアラはその男の胸にぶつかっていたということだろう? それは困るよ。警戒心が薄すぎる」
 
「はあ……」


 
 また『男』?
 殿下の前で起きたことを、なんで『男』でまとめるのかしら?


 
 話していてイライラしてきたのか、ジョシュア殿下からまた笑顔が消えた。
 この話題は、どうも彼を苛立たせてしまうらしい。


 
 殿下の言い方だと、自分にぶつかられたことに対して怒ってるんじゃなくて、他の男にぶつかっていたら……っていう想定に対して怒っているみたい。
 
 でも、なんで?
 第一王子のジョシュア殿下にぶつかるよりも、他の人にぶつかったほうがいいに決まってるじゃない。

 それに、仮に私の警戒心が薄いとしても、なんで殿下が困るの? 関係ないじゃない。
 言っている意味がわからないわ。
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