結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
「セアラ! 今日ジョシュアが休んでるって本当なの?」
誰もいない執務室で書類の整理をしていると、マーガレット王女が勢いよく入ってきた。
王女は今日も元気いっぱいだ。
「はい。寝不足らしく、休んでもらっています」
「そうなの」
……まぁ、殿下のことだから午後には戻ってくる気がするけど。
「トユンはいないの?」
「トユン事務官は外の業務に出ています」
キョロキョロしていた王女が、私の返答を聞くなりその黄金の瞳を輝かせた。
誰もいないこの状況を喜んでいるみたいだ。
「そう。ところで、ジョシュアの妃候補の件はどうなったのかしら?」
「……あれからまだ何も進展しておりません」
「そうなのね。あのね、父とも話し合ったのだけど、やっぱりセアラの書類を候補の中に入れてもらおうと思って」
「え?」