結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
「昨日のこととは?」
「……フレッド殿下に会って、求婚されたんだろ」
「!」
知ってたの?
親にも話していないのに、なぜジョシュア殿下が知っているのか。
その答えはわからないけれど、殿下が今私から顔をそらしている理由や、寝不足だった理由がわかった気がした。
やっぱり私のことで寝不足だったの……?
「……はい。されました」
「ルイア王国に行くのか?」
「行っていいんですか?」
「……お前が行きたいなら」
ジョシュア殿下はさらに私から顔を背けるように、プイッと後ろを向く。
行ってもいいという答えにムッとして、私は口を尖らせた。
そこはダメとは言わないのね。
今まで散々邪魔してたくせに。
「……行きませんよ。私にはこの国に初恋の人がいますから」
「!? 初恋の人!?」
予想外すぎる返答だったのか、殿下はグルッと顔をこちらに向けた。