結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
「……今日はいつもより寒いわね」

 
 そんなことを呟きながら到着した先は、第1王子ジョシュア殿下の執務室だ。
 私セアラ・バークリーは、ジョシュア殿下の秘書官として王宮に住み込みで働いている。


 
 よし! 今日も1日がんばりますか!


 
 予定表をパラパラとめくり、王子の本日の予定をすべて把握する。
 仕事始めにまずやることがこのチェックだ。


 
 急ぎの手紙は届いていないみたいね。
 今日はキャンセルや変更もなし!

 えーーと、午前中は建設中の会館についての会議……午後は予算会議に今度の視察についての会議……って会議ばっかり。
 資料は事前に作ってあるから、まずはあの資料を先に出しておいて……。


 
「おはようございます。セアラ秘書官」
 
「わっ! ……トユン事務官!」

 
 振り返ると、メガネをかけた優しそうな顔立ちのトユン事務官が立っていた。


 
 びっくりした……!
 集中していて、事務官が部屋に入ってきたことに全然気づかなかったわ。
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