結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
「セアラも俺のことが好きってことで間違いないんだよね?」
「……はい」
「初恋って言ってたけど、教会で会ってたときも俺のことが好きだったってこと?」
「……は、はい」
うう……改めて聞かれると恥ずかしいわ。
「ふーーん。それなのに、俺がその少年だって全然気づかなかったんだ」
「…………」
ん?? なんだか様子が……。
最初と2番目の質問は、少し遠慮気味の穏やかな口調だった。
でも、3番目の質問だけは違う。
違うというより、普段のジョシュア殿下の嫌味っぽい口調に戻ったというか──。
「まあ、仕方ないよね。髪の色も違うし、瞳も隠してたし」
「…………」
「声だって当時とは全然違うだろうし」
「…………」
「セアラが気がつかなくても仕方ないよ」
「…………っ」
これ、もしかして怒ってる!?