結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
6 殿下なら本気でやりそうで怖いです
「たしかに私には親しい男性もおりませんし、男性のことをあまり理解していないのかもしれません」
「かもしれない、じゃなくて理解してない、だろ」
……もう! 本当に嫌味ったらしいんだから。
ムッとした気持ちを抑えつつ、話を続ける。
「そうですね。理解しておりません。なので、これからは積極的に男性と親しくなって、きちんと学んでいきたいと思い──」
バン!
突然、大きな音が部屋中に響いた。
ジョシュア殿下が自分の机を強く叩いたのだ。
薬の瓶を持っていた手だったため、ガラスの瓶にヒビが入ってしまっている。