結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
ビッ……クリしたぁ……! な、何!?
瓶からジョシュア殿下へと視線を移すと、生気のない暗い瞳が真っ直ぐに私を見ていた。
そのあまりにも冷たい瞳に、ゾッと背筋が凍る。
「で……殿下……?」
「積極的に男性と親しくなる?」
「は……い?」
目だけでなく、声まで冷たく感情がない。
冷静を保ちたいけれど、恐ろしくて体や声が震えてしまう。
何? 何? すごく怖いわ!
今すぐに謝罪して部屋を飛び出したいけれど、足がすくんで動けそうにない。
獰猛な獣を前にして、ただ震えて座っていることしかできずにいたとき、ジョシュア殿下が突然ニコッと不自然な笑みを浮かべた。
いつもは完璧な爽やか笑顔を作ることができるくせに、爽やかさのカケラもない怪しい笑顔だ。
この笑顔は何!?