結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
「ですが、今後は殿下の手を煩わせないようにと」
 
「そんなに遠慮することはないよ。大事な秘書官に教える時間くらい、いつでも取るさ」
 
「…………」


 
 ウソですよね!?
 いつも『仕事は見て覚えろ』って言ってるじゃない!


 
 そう言い返したいけれど、今の殿下には逆らうなと私の心が訴えてくる。


 
 ……本当に、今日の殿下はどうしちゃったの?
 
 よくわからないけど、とりあえず「はい」と返事をしておくか……。実際には殿下に教わるとか怖くてできないし、あとで話しやすそうな男性に声をかけてみよう。


 
「わかりました」
 
「……絶対に納得してないだろ」

 
 ギクッ


 
 どうしてバレたの⁉︎
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