結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
「いえ! まさか!」

 
 慌てて両手を振って否定すると、ジョシュア殿下は椅子から少しだけ腰を浮かせて私に顔を近づけた。

 
「もし俺の言うことを破って他の男に教わろうとしたら……そのときは本当に監禁するからな」
 
「………っ」

 
 ヒュッと息が止まるほど、全身に恐怖が回る。


 
 こ……怖いっ!
 どこまで本気かわからないわ!


 
 ジョシュア殿下はそのまま立ち上がり、怯えきった私を見下ろしてニヤッと満足そうに笑った。
 いつもの意地悪なジョシュア殿下の顔だ。

 
「さあ、セアラ。そろそろ朝の会議の時間だ。会議室に行こう」
 
「は、はい」
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