結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜

 そもそも、1番重要なのは殿下が気にいるかどうかよね?


 
「殿下はどんな女性が好きなのかしら?」

 
 そんな独り言を呟いたとき、バサッと紙の束が床に落ちた音がした。
 
 顔を上げると、執務室の入口には目を丸くしたジョシュア殿下が呆然とした様子で立っていた。
 その足元には紙が数枚バラバラの状態で落ちている。

 
「ジョシュア殿下。どうされたのですか?」

 
 そう声をかけながら、私は急いでその場に行き床に散らばった紙を集めた。
 すぐに返ってくると思った返事はなかなか聞こえてこない。

 
「……殿下?」

 
 立ち上がってもう一度声をかけると、突然ガシッと手首を掴まれた。


 
 えっ!? な、何!?
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