結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
このままでは、あっという間に適齢期を過ぎてしまいそうだわ。
もうすぐフィルが学園を卒業するし、今がチャンスかも!
「数年はフィルと一緒に働くことになりそう……って覚悟していたけど、そんな余裕はないわ」
就任したばかりのフィルに殿下の婚約者決めなんて重要な仕事を任せるのは酷だから、これだけは私が終わらせておかないとね。
それが終わったら……。
「でも、あの意地悪な殿下がすんなり辞めさせてくれるかしら?」
少しだけ焦りを感じながら、ジョシュア殿下の机にチラリと視線を向けた。