結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
一気に真っ青になる私とトユン事務官。
ジョシュア殿下はいつも通り爽やかな笑顔の仮面を貼り付けている。
「いや~。長いこと一緒に仕事をしている2人が俺の話題で盛り上がっているなんて、本当に嬉しいよ。……で、『あの殿下』とはどういう意味なのかなぁ?」
「そ れ は……」
私よりも殿下と近い距離にいるトユン事務官が、言葉に詰まっている。
ハンカチを差し出したくなるほど、その顔からは汗がダラダラと流れていた。
トユン事務官はウソが苦手だもの。
ここは代わりに私が……!
「思慮深く、未来を見据えてじっくりと物事をお考えになる殿下──という意味です」
「……そうか。なるほどね」
「ええ。他に意味なんてないですわ」
ふふふ……と殿下と2人で笑い合う。
もちろん2人とも作り笑いであるし、それをこの場にいる全員がよくわかっている。
もう! ウソだとバレてても、こう言うしかないじゃない!
というか、つい最近もこんなやり取りをした気がするわ。
ジョシュア殿下はいつも通り爽やかな笑顔の仮面を貼り付けている。
「いや~。長いこと一緒に仕事をしている2人が俺の話題で盛り上がっているなんて、本当に嬉しいよ。……で、『あの殿下』とはどういう意味なのかなぁ?」
「そ れ は……」
私よりも殿下と近い距離にいるトユン事務官が、言葉に詰まっている。
ハンカチを差し出したくなるほど、その顔からは汗がダラダラと流れていた。
トユン事務官はウソが苦手だもの。
ここは代わりに私が……!
「思慮深く、未来を見据えてじっくりと物事をお考えになる殿下──という意味です」
「……そうか。なるほどね」
「ええ。他に意味なんてないですわ」
ふふふ……と殿下と2人で笑い合う。
もちろん2人とも作り笑いであるし、それをこの場にいる全員がよくわかっている。
もう! ウソだとバレてても、こう言うしかないじゃない!
というか、つい最近もこんなやり取りをした気がするわ。