結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
 トユン事務官もいろいろと察したのか、すでに席について自分の仕事を始めている。



 はぁ……私も他の仕事に取りかかったほうが良さそうね。
 あっ、でもその前に……。



 自分の席に戻ろうとして、ジョシュア殿下の机の前に向かう。


「殿下。今、少し個人的なお話をしてもよろしいでしょうか」

「なんだ?」

 
 ジョシュア殿下は目の前の書類から目を離さずに答えた。
 あまり興味がないらしい。



 こんな状態で言うのもあれだけど……まぁ、いいわよね。
 こういうことは、少しでも早く伝えたほうが仕事の調節もしやすいし助かるはずだもの。



 私はこちらを見ないままの殿下に向かって、昨夜の決意を口にする。
 
 
「殿下の婚約者が決まりましたら、秘書官を辞めさせていただきたいのです」

「!?」
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