結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
ジョシュア殿下が不機嫌!?
妃候補決めについてなかなか協力してくれなかったけど、ただ私を困らせて楽しんでいるだけだと思っていたわ。
企画自体が気に入らないということ?
「ジョシュア殿下は結婚したくないのでしょうか?」
「そうではないわ。そうではないんだけど……まったく。トユンのせいで……」
「トユン事務官が何か?」
「ああ。こっちの話よ。とりあえず……そうね。一度お父様と相談して、何かあったらまた来るわ」
「はい……」
陛下と相談? 何を? 何かあったらって、いったい何が?
……詳しく聞いてもいいのかしら?
「じゃあ、よろしくね!」
「あっ! マーガレット殿下……っ」
私の呼び声には反応せず、マーガレット王女はドレスを翻しながらその場を去って行った。
ああ……行ってしまったわ。相変わらず嵐のような方ね。
いったい本題はなんだったのかしら?