結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜

14 突然の訪問者


「ふぅ……。約3ヶ月ぶりね」


 どうしても今夜帰ってきてほしいという連絡を受けて、仕事を早めに終わらせた私はそのまま急いで実家に帰ってきた。

 王宮からバークリー家まではそこまで遠い距離ではない。
 それなのに私が王宮に住み込みで働いているのは、秘書官としての仕事が朝早いため、王宮側と両親の両方から住み込みにするようにと勧められたからだ。
 
 忙しくてなかなか帰れていなかったため、今日は久々の実家である。



 それにしても、急に帰ってきてほしいだなんて……何かあったのかしら?



 馬車で敷地内まで入ったとき、屋敷の前にもう1台の馬車と人が立っているのが見えた。
 身長と服装からして男性だと思われるその人物は、玄関に向かう様子もなくただ屋敷を見上げて佇んでいる。
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