【完結】先生、私と愛のために結婚して。


 俺はしばらく恋愛から遠ざかっていた男で、恋愛が下手だ。 人を好きになることすら忘れていた俺が、今更人を好きなることなんて、出来るのだろうか……?
 しかも恋をしたいと言う訳じゃなく、結婚だ。いきなりのプロポーズだ。
 プロポーズされたら、普通は嬉しいんだろう。まあ普通は、男からプロポーズするのが一般的なんだろうけど。

「その自信は、どこから来るんだ?」

「私の愛は本物だから、かな? だからきっと、先生は私のこと好きになる」

 すごい自信だ……。でもなんか、悪い気はしない。

「……じゃあ、好きにさせてくれ、俺を」

「ふふふ。 覚悟しておいてね、先生?」

 俺みたいな恋愛下手な男でも、人を好きになることが出来るのか……知りたい。
 こんな俺でも、まともな恋愛が出来るのか、知りたくなってしまった。
 まさかこんなことを思うようになるなんて……。俺はどうかしてしまったのだろうか。

 二十歳の元教え子と恋愛をするなんて、どうかしてるなと思う。
 でももう確かに生徒ではないし、大人になった彼女だから、恋愛をしたとしても、誰にも文句は言われないと思う。

 ……いや、言われたくはないが。 でも来栖の言うとおり、彼女に救いを求めてみてもいいのかもしれない。
 彼女に、託してみようと思う。
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