【完結】先生、私と愛のために結婚して。


「ほお。ついに結婚決めたのか」

「ああ。やっぱり、矢薙と結婚しようと思う」

 俺はその日、来栖に電話をし、結婚のことを話した。

「いいんじゃねぇ? お前が決めたことなら、俺は応援するよ」

 優しい来栖に俺は、「ありがとう、来栖。お前のおかげだわ」と缶ビールを飲みながら告げた。

「俺はなーんにもしてないよ。 お前が頑張ったからだろ」

「お前がいなかったら、決断出来なかったわ」

 来栖は「そうかそうか。俺に感謝しろよ〜」と言いながら笑っている。

「ありがとうよ、俺の大親友」
 
「いやいや、気にするな」

 来栖に相談して良かったと思うよ、本当に。

「週末、矢薙の両親のとこに挨拶行くことになった」

「そうかそうか。頑張ってこいよ」

「いや、緊張するわ……」

 両親への挨拶とか、なにを言えばいいんだ……。娘さんをくださいとか、言えばいいのか?

「……吐きそうだわ」

「おいおい、そんなに硬くなるな。当日もっと緊張するんだろ? 今から緊張してどうすんだよ」

「……だよな」

 いや、ダメだ。緊張しかしねぇ……。

「俺……大丈夫かな」

「大丈夫大丈夫。 心配すんなって、きっとうまく行くから」

「ありがとう」 

 頼もしい親友も持つと、ありがたい。
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