【完結】先生、私と愛のために結婚して。
「先生……もう一回、キス……したい」
矢薙のそのお願いが可愛く見えてしまって、俺はもう一度矢薙の唇にキスをしてしまった。
「……恥ずかしいな」
「先生、可愛い」
俺はこんな二十歳の女の子に振り回されて情けないと思っていたが、それも悪くないかもしれない。
「先生……今日、泊まって、行きませんか?」
「えっ……?!」
い、いきなりのお泊り宣言!?
「いや、あの……それは、なんだ……その」
うわー今の俺、めっちゃダサい……。
「今日は、先生と一緒に過ごしたい」
「……まだ、その、早くないか?」
いや、だって……それって……。その、セ……という名前が付くあれって、意味だろ?
「早くないよ、別に。……私はずっと、先生とそうしたいと思ってたから」
「えっ! あ、そう……なのか?」
いやいや、まだ二十歳の女の子だ。結婚する前に手を出すのは、まずいだろう……。
「いや、でも……そういうのは、結婚してからの方が、良くないか?」
「どうして?」
どうして……!? どうしてって言われても……。
「その……夫婦じゃないだろ、まだ」
「いずれ夫婦になるよ、私たち」
いや、それはそうなんだが……。
「先生、私は……先生としたい」
手を握られ見つめられると、俺の理性は飛んでしまいそうになる。