【完結】先生、私と愛のために結婚して。


 無事に結婚の許しをもらえた俺は、準備が整ってから婚姻届を出すことを矢薙と話し合って決めた。

「先生、許しもらえて良かったね」

「ああ」

「先生と結婚本当に出来るなんて、夢みたい」

 矢薙のアプローチに負けてしまったのは、事実ではあるが。今ではとても、矢薙のことが好きで仕方ない。
 守りたいと思う相手が出来たのは、奇跡だ。

「……咲音」

「はい?」

「プロポーズ……してくれて、ありがとう」

 俺の言葉に矢薙は、「フフフ。なんですか?突然」と微笑んでいる。

「いや……なんか、俺の人生、思い切り変わったから」

「え?」

「人生何があるか、分からないもんだな」

 幸せになるための道筋が、俺には出来た。今では思ったこともないような、道筋が。
 俺の人生を大きく変えたのは、確実に矢薙だ。

「咲音、幸せにするから、必ず」

「フフフ。 はい」

 こうして咲音と手を繋いで歩く道のりが、幸せだと思える日が来た。
 本当に結婚するなんて実感がまだないけど、これから先の幸せが待っていると思うと、ワクワクもする。

「咲音、これから、二人で幸せになろうな」

「うん」

 愛おしいと思う人がいるって、素敵なことなんだと思う。 自分の人生を大きく変えてくれる人がいるって、素晴らしいことだと思う。
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