【完結】先生、私と愛のために結婚して。
タブレットでいくつかのメニューを注文する来栖に向かって、俺は「俺もハイボール追加していいか」と来栖に伝える。
「はいはい、ハイボールね」
来栖が注文を終えた所で、来栖は俺に「とにかく、結婚の話、前向きに考えてやれよ」と俺に念を押してくる。
「……分かってるよ」
俺にとって、これから先の未来が変わるかもしれない出来事になる可能性がある。
真剣に、真剣に……向き合わないとな。
「すぐに返事しなきゃイケない訳じゃないんだろ? だったら、デートでもしてみればいいじゃん」
「で、デート……?!」
「そう。デートだよ、デート。 その子とデートして、少しでも相手のことを知れたらいいんじゃないかなって、思うけどね」
デート……か。 デートなんて、最近したことなかったな。
そもそも、デートする機会すらなかったし。
「誘ってみたら?デート」
「えっ、俺が……?」
「プロポーズしてくれた子なんだろ? デートくらい、お前が誘わないとだろ」
デートの誘い方……忘れたけど。
「デート……って、何すればいいんだっけ」
「はあ?デートも忘れたのか、お前は?」
「……うるせえ」
デートなんて、いつぶりだろう。……今更誰かをデートに誘うとか、恥ずかしさしかないが。
大丈夫なのか、俺は……?