どうやら私、蓮くんに愛されているようです
紗夜子は恵那と全てが正反対。課長の言った通り、ふんわりとしていて可愛らしいイメージだ。

「堅石主任と大渕さん、同級生なんだって。私、正直、堅石主任苦手だわぁ、厳しいし。仕事以外興味ありません! 仕事一筋です! 仕事が恋人です! って感じで、重っ。それに比べて大渕さんは女神だわ」

「女神、それわかる。おしゃれだし、この前、デートでリップをどれにしようか迷ってたら、頂き物だけど、私には合わない色だから使ってって、コレくれたのよ」

「うっそっ!それめちゃ高いやつ」

「そう。会社のブランドじゃないから内緒ねって」

「何それ、大渕さん神」

「はぁ、私も大渕さんの下で働きたい」

若手社員のやりとりだ。
トイレに入ろうとした恵那は会話に気付き、すんでのところで足を止めた。
そう、これが、恵那と紗夜子に対する社員のイメージなのだ。

恵那は大きく溜息をついた。
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