どうやら私、蓮くんに愛されているようです
仕事を終えた恵那は、マンションで蓮の帰りを待っていた。
玄関ドアが開き、

「恵那ちゃんただいまぁ」

聞き慣れた穏やかな声が、今日はより一層恵那の心を踊らせる。

急足で玄関に向かった。
スーツ姿の蓮が目の前にいる。背の高い蓮はスーツがよく似合う。

「お帰り、蓮くん」

恵那は蓮に抱きついた。

「恵那ちゃん」

蓮の繊細で綺麗な手が恵那の頭を優しく撫でる。

「今日はスーツなんだね。朝はパーカーで出て行ったのに」

「もう着替える必要がなくなったからね。一秒でも早く恵那ちゃんに会いたかったんだ」

「蓮くん……」

「ねぇ、恵那ちゃん」

「なに?」

「俺、もう限界なんだけど」

「え?」

「恵那ちゃんを抱きたい。ずっと生殺しだったの知ってる?」

恵那の顔がみるみる赤らんでいく。

「お、お、お風呂入っておいでよ」

「お風呂入ったら抱いていい?」

「ど、どうしてそんなストレートに」

蓮の美しく整った顔が目の前に迫る。恵那が目を閉じると、唇と唇が重なった。
蓮との初めてのキス。とっても優しいキスだった。

「シャワー浴びてくるから待ってて。なんなら一緒にお風呂入る?」

「い、一緒に⁉︎ な、何言ってるの! 私はもう入ったよ」

「真っ赤な顔して、ホント、可愛いんだから恵那ちゃんは」


蓮がシャワーを浴びている間、部屋中をあっちうろうろ、こっちうろうろ、全く落ち着かなかった。
蓮が浴室から出てきたのにも気づかず、うろうろしていると、背後からガッチリホールドされた。

シャンプーとボディーソープの香りが心拍数を跳ね上げる。
ヒョイッと抱えられ、お姫様抱っこでベッドまで運ばれた。

「恵那ちゃん、離さないよ」

優しいキスを落とされ、それは段々と激しくなり、無我夢中でお互いを求め合った。服はあっという間に脱がされ、身体中を愛撫される。触れ合う肌の温もりが、恵那の心を満たし、お腹の奥深くでは、頭が真っ白になるほど蓮を感じた。重なったまま激しく身体を揺さぶられ、尖った声と同時に絶頂を迎えた。
蓮の腕に抱かれ、胸に顔を埋める。
いつも距離をとって寝ていたキングサイズのベッドの上で、今は肌と肌を合わせて眠っている。
恵那にとって、蓮がどれだけ大切な存在なのか、蓮にどれだけ愛されていたのか、恵那は身体中で感じていた。

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