どうやら私、蓮くんに愛されているようです
病院を出て、二人は川辺へ向かった。

太陽が西の空に沈み始め、街全体がオレンジ色に染まっていく。
蓮の横に並び、ベンチに腰掛けた。

「夕焼け、綺麗だね」

「出会った日の夕焼けも綺麗だったよね。恵那ちゃんあそこに立ってた」

蓮が川の方を指差す。

「うん、そうだった」

「佇む恵那ちゃんも凄く綺麗だったな。恵那ちゃん、俺と出会ってくれてありがとう」

恵那は、蓮の透き通るような美しく端正な顔を見つめた。

「私の方こそ、ありがとう。ねぇ蓮くん」

「ん?」

「さっきフライングしちゃったんだけど、もう一度確認してもいいかな?」

「いいよ、何?」

蓮の聡明な瞳に恵那が映り込んでいる。

もう蓮くんがいないと生きていけないな。

恵那は呼吸を整えた。

「蓮くん、私とずっと一緒にいてくれる?」

「もちろん」

「料理できなくても?」

「もちろん」

「酔っ払って我儘炸裂しても?」

「もちろん」

「寝てる時に蹴飛ばしても?」

「もちろん」
 
「本当に私でいいの?」

蓮の美しく綺麗な手が恵那の頬を包む。

「恵那ちゃん、俺は恵那ちゃんがいいの。言ったでしょ、離さないって」

「うん」

「恵那ちゃん、俺と結婚してください」

恵那の視界がじわりと滲み、瞬きと同時に涙が頬を伝った。

「よろしくお願いします」

蓮の指は優しく涙を拭い、そして、ゆっくりと唇が重なった。

夕焼けの優しいオレンジ色に包まれて、二人は強く抱きしめ合った。

              
               END








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