心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
14 幼なじみのレオ
聖女の力に触れた次の日、グレイは学園の図書館に来ていた。
小等部〜高等部、研究部、武術部があり、6〜22歳までの生徒が通う、貴族しか入れないセントオーストル学園。
その学園内にある図書館は、国内でもトップ3に入るほどの蔵書数と広さを兼ね備えていて、校舎内ではなく独立した建物として隣接されている。
デザイン性が高く、その外観を見て誰もが図書館だと気づかないほど、綺麗な建物であった。
聖女の本を探しに来たグレイは、その種類の多さに驚いた。
『聖女関連本』専用の区画があり、高くて長い棚にはびっしりと『聖女』と書かれた本が並べられている。
聖女のことはもちろん知っているものの、授業で習う以外には個人的に調べようとしたことがなかったグレイは、これほど豊富なのかとキョロキョロしながらその通路を歩いた。