心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
レオが先ほどグレイが戻した本に手を伸ばしたので、バシッと叩いてそれを止めた。
半泣き顔でこちらを見ながら、叩かれた自分の手をスリスリさすっているレオ。
7歳の子どもよりも、考えてることが顔に出るヤツだな……。
「変な勘繰りをするな。お前には関係ない」
「なんだよーー。聖女なら、俺も結構詳しいぜ?」
「……お前、聖女に詳しいのか?」
「ああ。昔すごく興味が出た時期があって、調べまくったことが…………ってグレイも知ってるじゃん! 俺、そんな話をしたことあったよね!?」
「お前の話なんか、ほとんど聞いてない」
「ひどいっ!」
大袈裟に悲しむフリをするレオを見て、グレイは小さくため息をつきながら質問をした。