心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
レオはマリアの姿を見て、目を見開いたまま硬直した。
「妹のマリアだ」
そう紹介すると、レオは人形のようにギギギ……と首だけゆっくり動かしてグレイを見た。
顔色は青く、冷や汗がたくさん出ているようである。
「い……妹だって?」
「ああ。そうだ」
「いやいやいや……妹とか、それ以前に……な、なんなのこの状況。な、なんでこの子は監禁されてるの?」
レオはプルプル震える指で、マリアを指している。
マリアはじーーっとレオの方を見上げたまま動かない。
「理由なんて知らないな。あの女の考えてることなんてわからない」