心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない

 これは罰……。
 マリアが悪い子だから、罰を受けないといけない……。



「悪魔!! あんたのせいで!! 私は……。ずっと幸せだったのに、あんたが……あんたが来たから……!!」


 イザベラの奇声を聞きながら、キーズのあざ笑うかのような視線に晒されながら、マリアは耐えた。

 叩いてきた手の爪が引っかかることもあり、血が出ているのがわかる。
 手足や頬がジンジンしてきて感覚がなくなっていく。

 気づいた時には、マリアは檻の中で横になっていた。
 これから3日はこの痛みとともに過ごさなければいけない。

 3日後、空腹でやつれボロボロの姿になったマリアを見ることが、イザベラの楽しみの一つだった。
 そのためこれから3日は誰も来ないし誰も食事を運んではくれない……はずであった。
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