心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
「マリア様、はじめまして。私はメイド長のモリーと申します。エミリーの母です。よろしくお願いしますね」
「よろしくお願いします……」
「まあまあ〜! なんて可愛らしいのかしら〜!」
モリーは頬を赤らめて、何やら興奮しているようだ。
気づけば、モリーの後ろには数着のワンピースが飾られている。
さっきまでこの部屋にはなかった物だ。
エミリーがピンク色と薄いブルーのワンピースを持って、目を輝かせながら問いかけてくる。
「マリア様! どちらがよろしいですか?」
「え……えっと……」
もしかして、私が着るお洋服なの?