心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない

「マリア様、はじめまして。私はメイド長のモリーと申します。エミリーの母です。よろしくお願いしますね」

「よろしくお願いします……」

「まあまあ〜! なんて可愛らしいのかしら〜!」


 モリーは頬を赤らめて、何やら興奮しているようだ。

 気づけば、モリーの後ろには数着のワンピースが飾られている。
 さっきまでこの部屋にはなかった物だ。

 エミリーがピンク色と薄いブルーのワンピースを持って、目を輝かせながら問いかけてくる。


「マリア様! どちらがよろしいですか?」

「え……えっと……」



 もしかして、私が着るお洋服なの?
< 241 / 765 >

この作品をシェア

pagetop