心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
3歳頃からずっと白い無地のワンピースだけを着ていた。
エマやイザベラ、治癒にやってくる貴族女性が着ているような豪華な服は、自分には無縁だと思っていた。
マリアはどう答えていいのかわからず、黙ってしまう。
どちらも素敵で選べない。
そんなマリアの気持ちに気づいたのか、モリーはニコッと笑うとマリアの視線の高さに合わせて腰を下ろした。
「今日は、私達が決めさせていただいてもよろしいですか?」
マリアはコクリと頷いた。
エミリーもモリーにそっくりな顔でにっこりと笑う。
「では、とびっきり可愛くしましょう!」
「きっと、グレイ様も驚かれますよ」
なぜかとても気合いの入った2人に、マリアはすべて任せることにした。