心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
しかし、どう質問をするかをグレイはすでに考えてきていた。正確に言えば、あの黄金の光に思い当たる答えが出ているのである。
「あの光は、聖女の力ではないのか?」
子どもは何も答えない。
「それは、誰にも言うなと口止めされているのか?」
子どもはフリフリと首を横に振った。
プラチナブロンドの長い髪がふわふわ揺れて、眩しいほどに輝いている。
「口止めではない? ……では、まさかお前は聖女を知らないのか?」
子どもはコクリと頷く。
グレイは、この国に暮らしていて聖女を知らない者がいることに驚いた。